中山道47番目の宿場町「大湫宿(おおくてしゅく)」
その大湫宿の中ほどにオープンした古民家カフェ橘。
古の記憶を残しながらモダンに彩られた空間で、里山の音色とともに頂く珈琲の味は格別。
2021/08
現在の岐阜県瑞浪市に位置する大湫宿。
慶長9年(1604年)に新設された宿場で、皇女「和宮親子内親王」の宿泊地としても知られています。
その大湫宿の中ほどに建つ国登録有形文化財、旧森川善章家住宅(通称:新森)を瑞浪市が古民家再生事業として活用する事となりました。
大湫宿には4棟の国登録有形文化財が現存し、この新森もその一つ。
しかし明治期に建てられたこの住宅は傷みも激しく、1年に渡る再生工事を必要としました。
十分な準備期間を経て、その結果誕生したのが古民家カフェ橘です。
中山道(なかせんどう)は江戸時代に整備された五街道の1つで、江戸の日本橋と京都の三条大橋を内陸経由で結ぶ街道です。
「中仙道」「仲仙道」と表記する場合もあり、別名「木曾街道」「木曽路」とも呼ばれています。
江戸時代から大変人気のルートで、険しい内陸の山道を通るにも関わらず、東海道よりも中山道を選ぶ旅人は多かったと言います。
そんな中山道の江戸から数えて47番目の宿場街が、この大湫宿です。
現在の地名は瑞浪市大湫町。
令和の今でも中山道ファンは多く、この大湫宿にも宿場町を周る旅好きの方々が多数訪れます。東濃ののどかな風景を楽しみながら歩く宿場街は、季節の移ろいを感じる事が出来る最高の癒やしの散歩道です。
しかし現代の大湫宿には、旅人が一服する休憩処が不足していました。
そのため、お食事、珈琲、冷たい飲み物や、疲れを癒やす甘味を求める声が多く、この古民家カフェ橘は、大湫宿待望のくつろぎ処としてオープンする事となったのです。
古民家カフェ橘の斜向いには、大湫宿のシンボルとも言える大杉が立っていました。
樹齢600年とも700年とも言われる大杉は、2020年の豪雨の際に突然倒壊します。この大木が倒れる事で受けた被害は、電線が引っかかり停電となったほか、隣接する住宅の一部が破損、神社の蔵が下敷きとなるなど、幸いにも人的被害はありませんでした。
その巨大さに対して被害は少なく、民家の直撃もなく新森も無事だったため、奇跡と言う声も聞こえてくるのでした。
その後、倒壊した大杉を活用する事業が始まり、古民家カフェ橘も大杉の板を看板に利用する事となりました。
古民家カフェ橘の玄関前には、年輪が美しい杉板の看板が掛かっているので、訪れた際にはぜひご覧頂きたいと思います。
玄関を潜ると昔ながらの土間があり、当時の囲炉裏もそのまま残されています。
張り替えられた板の間は感触も心地よく木のぬくもりが伝わってきます。
客席は全てソファで約20席。
広々とした空間にゆったりと配置されており、ソファも大きく適度な距離感を保つ事が出来ます。
外には庭と田園が広がり、のどかで懐かしい空気を感じながら、美味しいコーヒーを楽しめます。
忙しい日々に疲れたら、中山道のお休み処でホッと一息つく休日もいいかもしれませんね。
古民家カフェ橘
コミンカカフェタチバナ
所在地:岐阜県瑞浪市大湫町463−1(新森)
電話:090-4867-1726
営業時間:11:30〜16:00
定休日:火曜・水曜・木曜
※事前に5名様以上のご予約を頂いた場合、時間・曜日問わず営業いたします。
※冬期休業いたします。
(営業日について、詳しくはHPでご確認ください。)
駐車場:有り